皆さん、こんにちは。40代半ば、ごく普通のサラリーマンの私です。
妻と二人の娘に囲まれ、日々慌ただしくも平和に過ごしています。
趣味は読書で、最近は社会問題や教育関連の本もよく手に取ります。
特に、少年犯罪のニュースを見るたびに、胸が締め付けられるような、なんとも言えない気持ちになります。
「なぜ、彼らは罪を犯してしまったのか?」
「どうすれば、彼らを更生させることができるのか?」
そんな疑問を抱えていた時に出会ったのが、『ケーキの切れない非行少年たち』という本です。
精神科医である宮口浩次氏が、少年院での経験をもとに、非行少年たちの驚くべき実態と更生への道を綴った作品です。
これが、私の想像をはるかに超える衝撃的な内容だったんです。
Contents
{あらすじ要約}【衝撃】「ケーキを3等分して」と言ったら…予想外の行動に言葉を失う
この本で最も衝撃的だったのは、タイトルにもなっている「ケーキの切れない非行少年たち」の実態です。
著者の宮口氏が、少年院で出会った少年たちに、こんな質問を投げかけます。
「ここに丸いケーキがあります。君を含めて3人で仲良く分けるとしたら、どうやって切りますか?」
当然、誰しもが「3等分」を想像しますよね?
ところが、です。
凶悪犯罪を犯した少年たちでさえ、円形のケーキを綺麗に3等分することができなかったのです。
彼らは、ケーキを半分に切ることはできても、そこからさらに3等分に分割するという発想ができない。
「なぜそんな簡単なことができないんだ?」
そう思われるかもしれません。
しかし、そこには、私たちが目を背けてはならない重大な問題が隠されていたのです。
{あらすじ要約}非行少年たちの苦悩:見えない障害が彼らを苦しめていた
宮口氏によると、ケーキを切れない少年たちの多くは、発達障害や知的障害を抱えているといいます。
彼らは決して頭が悪いわけではありません。
しかし、生まれ持った脳機能の特性によって、
**「見たり、聞いたり、想像する力」(認知機能)**に偏りがあるのです。
例えば、
- 人の表情から感情を読み取ることが苦手
- 複数の情報を同時に処理することが難しい
- 抽象的な概念を理解することが困難
といった特性が見られます。
こうした特性のために、彼らは日常生活で様々な困難に直面します。
- 学校の授業についていけない
- 友達とのコミュニケーションがうまくいかない
- 周囲から誤解されやすく、孤立してしまう
そして、行き場のない苦しみや frustration が、非行という形で表れてしまうケースも少なくありません。
{あらすじ要約}彼らを非行に走らせた「5つの特徴」と「意外な弱点」
宮口氏は、長年の少年院勤務の中で、非行少年たちに共通する特徴を見出しています。
それが、「非行少年の特徴5点セット+1」 です。
- 認知機能の弱さ: 見たり、聞いたり、想像する力が弱い
- 感情統制の弱さ: 感情のコントロールが苦手で、怒りや欲求不満を爆発させてしまう
- 融通の利かなさ: 自分の考えに固執しやすく、臨機応変な対応が難しい
- 不適切な自己評価: 自分の強みや弱みを客観的に評価することができず、自信過剰になったり、逆に自己肯定感が低い状態に陥ってしまう
- 対人スキルの乏しさ: コミュニケーションが苦手で、人間関係をうまく築くことができない
- (+1)身体的不器用さ: 運動が苦手、力加減ができない、不器用など、身体を動かすことが苦手なために、周囲から「怠けている」「やる気がない」と誤解されてしまうことも少なくない。
これらの特徴が複雑に絡み合い、彼らは社会生活に適応できず、生きづらさを抱えているのです。
{あらすじ要約}更生への道筋:重要なのは「自己への気づき」と「自己評価の向上」
では、どうすれば非行少年たちは更生できるのでしょうか?
宮口氏は、「自己への気づき」 と 「自己評価の向上」 が重要だと説いています。
- 自己への気づき: 自分の強みや弱み、そして、自分が抱えている問題点に気づくこと。
- 自己評価の向上: 自分自身を肯定的に捉え、「自分は価値のある人間だ」と思えるようになること。
これらの要素が、彼らが更生し、社会復帰を果たすための大きな何かを推進する主要な力や要因となります。
そして、私たち大人にできることは、彼らが “自ら気づきのスイッチを入れられるような環境” を提供することです。
頭ごなしに叱責したり、一方的に教え込むのではなく、彼らの言葉に耳を傾け、彼らが自分の力で成長できるよう、温かく見守ることが大切です。
【私の感想、40代父親としての決意】「誰もが生きやすい社会」を子供たちに残したい
この本を読み終えて、私は深く考えさせられました。
非行少年たちは、決して「彼らだけ」の問題ではありません。
社会の歪みや教育の不足、そして、私たち大人の無理解が、彼らを苦しめ、非行に走らせている側面もあるのではないでしょうか。
彼らを責めるのではなく、理解し、支えていくこと。
そして、「誰もが生きやすい社会」を築き上げていくこと。
それが、私たち大人の責任であり、未来への希望なのだと感じました。
この本は、少年犯罪の問題だけでなく、子育てや教育、そして、私たち自身の生き方についても深く考えさせてくれる一冊です。
ぜひ、多くの方に手に取っていただき、一緒に考えていければ幸いです。
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